家事代行の手引き 家事代行に関するとトラブルとは?

はじめに

家事代行サービスを申し込む時には、誰しもトラブルに遭いたくないと思っています。事前に実際に起こりやすいトラブルを知ったり予防方法を考えておくことで、万が一トラブルに遭ってしまった時に被害を最小限に留めることもできます。

今から、家事代行サービスの現場における、起こりやすいトラブルと、対応方法や予防方法について詳しく説明します。参考にして頂いて、安心してサービスを受けていただけたらと思っています。

家事代行サービスの申し込み時に起こりやすい主なトラブル

主なトラブルは以下4項目となります。

  • ・基本料金とその他の料金に関するトラブル
  • ・サービス内容の認識違いによるトラブル
  • ・物品の破損や盗難
  • ・担当スタッフとのコミュニケーションミスによるトラブル

  • それでは、具体的に説明していきます。

    基本料金とその他の料金に関するトラブル
    家事代行サービスの料金は、それぞれの会社によって独自のものになっているため、比較がしづらく、さらに、最初に想定していた金額と違うということでトラブルになることが多いです。

    これは、ホームページで基本料金を掲載していても、利用者の依頼内容に応じた見積額に計算される仕組みになっているためです。

    それだけでなく、各会社が、それぞれ特別なプランを打ち立てて料金化しているので、分かり辛く感じる人が多くなってしまっているようです。

    そうならないためのポイントを以下に挙げてみました。

  • ① 最低利用時間と1時間当たりの単価(ほとんどの場合1時間当りの単価が表記されていますが、最低2時間以上から利用可能となっている会社が多いです)
  • ② 延長料金と延長した時間の計算単位(多くは10分単位か30分単位か60分単位で加算される仕組みになっています)
  • ③ 交通費(一律なのか実費なのか?または車で来た場合はどうなるのか?など。)
  • ④ 鍵の預かりにおける費用(会社によっては、無料で預かってくれる場合もあります)
  • ⑤ スタッフの指名料金とそのルール
  • ⑥ キャンセルポリシールール(キャンセルの締め切りとキャンセル料)
  • ⑦ その他の雑費(洗剤やゴミ袋、ゴム手袋、雑巾など)
  • ⑧ 表示金額または見積り提示金額は税込か税別かの違い

  • ※これらの項目を全て明確にし、自分が設定している金額と照らし合わせて契約するようにしましょう。


    サービス内容の認識違いによるトラブル
    主として「依頼した内容をこなせていない」というトラブルが多いようです。

    現場の声を聞くと、「スタッフが依頼の内容を理解していない」ということではなく、「時間不足で、そこまで行き渡らなかった」ということが実情だそうです。これらは、依頼側とスタッフ側との「綺麗に仕上げる」ことに関する共通認識が正しくできていなかった時や、優先順位が正しく伝わっていなかったことが原因で生じています。

    例えば、水回りの清掃と一言で言っても、洗面所や浴室、キッチンなど綺麗にして欲しい場所が複数箇所ある場合、全体的にざっくり手をつけて欲しいのか?それとも重点ポイントがあるのか?では、作業行程が異なります。さらに優先的に順番をつけて細かく掃除をしてほしいと要求される場合もありますので、依頼内容を明確にすることが重要です。


    物品の破損や盗難
    どんなにベテランの家事代行スタッフが細心の注意を払っていたとしても、思わぬところで事故は発生しています。

    例えば、食洗機の中でお皿が割れる、雑巾がけや掃除機を使用中に物品が壊れるなど、実際には防ぎようのない事故も起こります。よって、家事代行会社が損害賠償保険に加入している事を確認して利用するようにしましょう。しかし、保険に入っていたとしても壊れたものが無条件に必ず戻ってくるわけではないという事実を踏まえて、思い出深い物品や宝物などは依頼者側がきっちり保管し、スタッフの手の届かない場所に移動させておきましょう

    破損と同様に、盗難のリスクも、生じる事は想像に容易い事です。高級な物品、貴重品などは、スタッフの目の届かないところや金庫を使用するなど、各個人で安全策を建てることが大切です。


    担当スタッフとのコミュニケーショントラブル
    サービス利用後のアンケートで約三人に一人が「依頼内容の相違など、担当スタッフとコミュニケーションがうまくできず、不快だった」などの、コミュニケーショントラブルを訴えています。

    人間同士のコミュニケーションや相性があるので、誰でも全て完璧に意思疎通を取ることは難しいです。しかし、これらが原因で家事代行サービスが、不快に終わってしまう事は誰しも本位ではありません。

    あらかじめ会社のスタッフの指名制度や変更システムについて調べておきましょう。

    トラブル予防の為に事前にするべき事

    特に、はじめて家事代行サービスを申し込む方に時に気をつけて欲しい事を以下にまとめました。

  • ・最低依頼時間と1時間当たりの単価(ほとんどの場合1時間の単価が表記されていますが、最低2時間以上の注文が必要となっています)
  • ・サービスの内容・金額・契約書・見積書などを契約前に、しっかりと確かめる
  • ・初めての作業見積り審査時に、部屋を綺麗に片付け過ぎない
  • ・依頼したい内容、優先順位、細かい要望は明確かつ具体的にまとめておく
  • ・貴重品や高価な物はしっかりと保管する
  • ・損害賠償保険や適用範囲を確認する
  • ・採用・研修制度を確かめる
  • ・定期利用契約の前に、お試し制度を利用する
  • ・作業前の部屋の写真を撮っておく
  • ・室内カメラを設置する


  • それぞれの重点事項をお伝えします。

    サービスの内容・金額・契約書・見積書などを契約前に、しっかりと確かめる
    サービス申し込み後に、こんなはずではなかったと、認識の食い違いが起こらない様にするためには契約前に、サービス内容の範囲やサービスの質、料金の内訳、追加料金の条件、キャンセルルールなどについてしっかりと細部まで確認しておきましょう。

    少しでも疑問な点や不安が生じた場合は、必ず会社に直接、確認する様にしましょう。特にこのサービスにおいては、「綺麗に仕上げる」の「綺麗」の認識が人によって大きく違うことが難しい点でもあります。

    例えば、キッチンの掃除においてもホコリが落ちていない状態を「仕上げ」と考えるのか?水滴を全部拭き取り、キッチンの蛇口や流しのふたまで磨き上げてピカピカな状態を「仕上げ」と考えるのか?では大きな差があります。作業や仕上がりの質についても明確に共通認識を図っておくことが大切です。


    初めての作業見積り審査時に、部屋を綺麗に片付け過ぎない
    サービスを申し込むと、作業内容の確認や、作業の価格と時間などの見積もりのため、会社の営業スタッフが自宅に来ます。

    その時に、来客の方に対するおもてなしから、部屋を必要以上に片付けてしまう方がおられます。そうする事で、もしかしたら見積もり金額が安くなり、設定時間が短くなるかもしれません。そうすると実際に作業が始まった時に、時間内に依頼内容がこなせなくなり、延長料金が発生して、結果的に、高い料金を払うことになりかねません。

    くれぐれも初めての見積り時には、室内を普段通りの状態にしておきましょう。


    依頼したい内容、優先順位、細かい要望は明確かつ具体的にまとめておく
    トラブルを避けるために必要なのは、担当スタッフとの共通認識です。

    特に、綺麗にして欲しい場所の細かいポイント要望を、具体的にまとめて、共通認識を図りましょう。そうする事で、家事代行スタッフが作業を進めやすくなります。


    貴重品や高価な物はしっかりと保管する
    作業中の破損や盗難によるトラブルを防ぐためには、貴重品は鍵のかかる場所やスタッフの目に届かない場所等に管理しておきましょう。

    どうしても移動不可の家具や、絶対に傷つく事を避けるには、事前に、その周辺は、はたきや掃除機をかける必要がないことをはっきり作業前にスタッフに伝えておく事です。万が一アクシデントを減らすために自ら予防線を張っておくことが必要です。


    損害賠償保険や適用範囲を確認する
    万が一、作業中に物品の破損や盗難などのアクシデントが生じた時には、損害賠償保険の役割が大きくなります。事前に会社の加入状況とその賠償範囲を調べておきましょう。

    一般的に知られている大手と呼ばれる様な会社は保険に加入しています。中小規模の会社は、特に注意をして調べましょう。


    採用・研修制度を確かめる
    近年の需要の急増によって家事代行サービス業界は、常に人材の不足状態だと言われています。よって、採用時に基準を下げたり、きっちり研修も行ずして、現場に赴かせる会社もある様です。そうなると必然的に、作業の品質をはじめとする様々なトラブルが生じる確率が高くなります。

    会社を決める時には、会社の採用・研修制度もチェックした方がいいでしょう。


    定期利用契約の前に、お試し制度を利用する
    トラブルの予防方法として、すぐに定期利用の契約をするのではなく、事前に、スポット利用やお試し利用で様々な会社や家事代行スタッフの質や対応を比べる事をお勧めします。

    比較するために最低でも3社以上の会社をお試しするといいでしょう。


    作業前の部屋の写真を撮っておく
    もし、サービスの質や破損などの不安を抱いた場合は、作業前の部屋の写真を撮っておく事で、客観的な観点から状況を伝えることもできますので、写真を取るようにしましょう。


    室内カメラの設置
    不在時に他人であるスタッフに作業をしてもらうことに対して不安がある方は、防犯カメラの設置をお勧めします。スタッフの様子を携帯などで見られるようにもなってきましたし、録画機能もあるので問題が生じた時には、証拠品として使用することもできます。

    トラブルが起きてしまった時には

  • ・家事代行サービス会社に直接連絡をする
  • ・消費者センターへの相談

  • それぞれ見ていきましょう。

    家事代行サービス会社に直接連絡をする
    サービス利用中に、コミュニケーションの問題や作業の質、内容についての不満、物品破損、盗難、スタッフ変更などにトラブルが生じたら、まずは家事業務代行サービス会社に問い合わせてください。

    トラブルの発生日時や内容などをできるだけ細かくわかりやすく正しく伝えて、解決してもらいましょう。

    消費者センターへの相談
    家事代行サービス会社との間で問題解決が困難化した時には、国民生活センターまたは地域の消費センターなどを利用しましょう。

    既に、センターには家事代行サービスをめぐるトラブルに関する相談が多く寄せられています。よって、いくつかの事例や対処法も確立されています。ひとりで悩んだり諦める事なく、センター員に相談し適切な対処を行いましょう。

    さいごに

    以上の実態から、家事代行サービスによる、数々の問題が生じる可能性を知っていただけたと思います。問題が起こる確率をゼロにすることは不可能ですが、予防策立てたり対応案を知る事で、被害やショックを最小に抑えることが可能です。

    家事代行サービスは、共通認識やコミュニケーションが要となりますので、満足してサービスを受けるために、依頼する側にも基本的な配慮や準備、スキルが必要だという事を理解していただけたらと思っています。